公開日:2018年10月31日最終更新日:2020年2月18日
今回私の友人でNew Yorkを拠点として世界中で活躍しているミュージックビデオ・CMディレクターBlake Farber氏(BeyoncéのMVやリオ・オリンピックのCM等素晴らしい作品を多数手掛けています)のご紹介と、彼がここ最近注力している大学や専門学校でのレクチャーをぜひ日本でも行いたいという本人の希望を受けレクチャー先の募集のお知らせです。
ご紹介インタビューでも触れられていますが、彼の大学でのレクチャーでは映像のディレクティングだけに留まらず世界を舞台に自分の分野の最前線でキャリアを築いていくことを掘り下げていきますので、様々な分野で国際的なキャリアをこれから目指していく学生たちにぜひ体験していただきたい内容です。レクチャーの主催を検討してみたいと興味を持たれた方はこの記事の最下部に彼のコンタクトを載せていますので直接お問い合わせをお願いします。英語でのやり取りはちょっと不安という方はこちらRepにお問い合わせ頂くことも可能です。「無料カウンセリングご予約」ページで「その他」を選択していただき、お問い合わせ内容記入欄にBlakeのレクチャーの件とご記入ください。もちろん日程や費用等諸条件が合えば日本全国どこでも講演可能ですのでご相談ください。
まずは彼の最新のCM作品集をご覧いただき、インタビューもぜひ読んでみてください。
―まずは簡単に自己紹介をしてもらえますか?
皆さんこんにちは!New York を拠点に活動しているディレクターのBlake Farberです。とはいっても最近は仕事で世界中を飛び回っているからあまりNew Yorkには帰れてないんだけどね。これまで30カ国以上でディレクターの仕事をしてきて、今もイタリアのローマでコマーシャル撮影の仕事の合間にこのインタビューの返答を書いているよ。
―どのようにして映像の世界へ足を踏み入れて監督を志すようになったのですか?
写真家の両親のもとで育ってきたから自然と映像の媒体が好きだったんだよね。でも自分は写真が動きを持ってストーリーや感情を伝えるところを見たくてね。それで自分のこれまでの旅や成長過程での素晴らしいストーリーを世界へ伝えていきたくてディレクターの道を志したんだ。
―今までのキャリアを通して数多くのミュージックビデオやコマーシャルを手掛けてきたと思いますが、その中でも特に気に入っているプロジェクトや一番の功績と言える作品は何ですか?
正直に言って私は自分自身の作品に対してかなり批判的なんだよね。自分自身に対して厳しすぎるのかもしれないけど、そのおかげでより良いもの、より新しいものを創り出せているんだとも思う。私は自分を新しい冒険に連れて行ってくれるようなプロジェクトが好きだね。そこで経験したことをストーリーとして伝えたくなるようなロケーションとかね。特に自分のディレクターとしてのキャリアを飛躍させるきっかけとなったプロジェクトで言うと、ミュージックビデオでは光栄にもBeyoncéと一緒に仕事ができたっていうこと、コマーシャルではリオ・オリンピックのTVコマーシャルを手掛けるチャンスを得ることができたってことだね。こうした仕事がその後の更なる素晴らしい冒険への扉を開いていくことに大きく貢献してくれたと思う。
―Blakeの音楽的なバックグラウンドを教えてくれますか?またそれはあなたのディレクティングに影響を与えていると思いますか?
自分のバックグラウンドの大部分は写真なんだけど、自分の成長過程でのとても重要な一環が母がたの家族で、彼らは全員ミュージシャンなんだよね。叔父は後期のBeach Boysなんかの多くの有名なバンドでベースを弾いてたし、祖父はドラマーだった。自分自身も兄とバンド(Olde York)を始めて日本も含めて世界中をツアーして周ったよ。ツアーの先々で素晴らしい友人やストーリー、一緒に仕事をする仲間と出会うことができた。そして自分自身がミュージシャンであることは、「ビート」のあるスタイルでディレクティングをすることに大きな役割を果たしていると思う。美しいビジュアルとその上にパワフルな音楽をのせていくことを考えながらビデオを編集していくんだ。言語の壁を越えて世界中の皆が共感できる世界共通語である音楽でビジュアルにエッジを効かせていくんだよ。
―自分自身の監督スタイルをどう表現できると思いますか?
上の質問で答えたように、力強い映像と心を動かす音楽のサウンドトラック… それら両方を用いて面白いミックスを創り出していくことだね。スタンリー・キューブリックがこれらの2つの要素を組み合わせて彼の映画の中でドラマチックでパワフルな瞬間を創り上げていったようにね。
―ここ最近世界中の大学を周ってレクチャーを行っていますよね。それらはどんな内容で、学生たちはあなたのレクチャーからどんなことを学び取ることができるでしょう?日本でもそうしたレクチャーを行っていきたいですか?
ハーバード大学から各地の映画専門学校まで世界中の様々なタイプの学校でレクチャーを行ってきたよ。映画学校ばかりでなく、最近はブラジルのサンパウロでジャーナリズムや写真、広告を学ぶ学生を相手にレクチャーを行ったよ。かなり多様なグループの様々な事柄に興味を持って勉強をしている生徒たちが対象になっているよ。自分のレクチャーは映画や映像のことだけでなく、どうやって自分のキャリアをスタートさせていこうかということに興味を持ったあらゆる人に向けたものなんだ。レクチャーの中では今に至るまでの自分の個人的な功績から過ちまで幅広く説明していくんだけど、多くの学生たちは「卒業後に自分はどうしたらいいのだろう」という共通した疑問を抱えているよね。その質問に自分が完全な答えを出してあげることはしないんだけど、冒険に満ちたストーリーを通して力強いアドバイスを与えるようにしているよ。レクチャーが終わった後には彼らに自分が経験した人生の冒険をどう活かしていくかってことを伝えるんだ。自分のライフキャリアについての様々な感情に溢れたストーリーを通して、生徒たちを徹底的に笑わせ、共感させ、そして笑顔にさせるんだ。是非日本でもレクチャーを行っていきたいね。以前日本で皆がエキサイティングに感じるような仕事をした経験もあるし、日本の学生たちは自分の国の外に出て仕事をすることがどんなものかにも興味があるだろうしね。
―将来の具体的な目標があれば教えてください。
未来のことを話す前に過去のことから話をさせてもらうと、自分がもっと若かった頃にディレクターになって世界中を飛び回って仕事がしたいという目標を立てたんだよね。そして光栄なことにその目標を達成することができた。ミュージックビデオから始まりTVコマーシャルへと活動の幅を広げ、その先はって考えると、自分の次の目標は長編の映画を監督することだね。
―あなたがこれから直近で取り組んでいく予定のプロジェクトについて教えてくれますか?
今はさっき少し話したイタリアでのミュージカルスタイルのTVコマーシャルのプリプロダクションミーティングの合間にこのインタビューに答えるところで、このプロジェクトが終わったらNew Yorkに戻って車のTVコマーシャルに取り掛かる予定だよ。そこから先の予定は決まってないけど、次はブラジルかもしれないし、もしかしたら日本かもしれない。この冒険が自分を次にどこに連れて行ってくれるかわからないけど、さっき言った自分の初の映画の脚本にはずっと取り組んでいくつもりだよ。
―日本の若いディレクターにアドバイスはありますか?
自分からのアドバイスの多くはレクチャーに参加してもらった後になると思うんだけど、私がかつて教えてもらった単純明快な方法は「練習」だね。ぜひ友達と短編映画やミュージックビデオを作る練習を重ねていってほしい。その過程でいろいろと過ちを犯すと思うけど、そこから学んでどうやったらそれらに対処していけるかを掴んでいってほしい。自分がそうやって学んできたことは、編集時に行き詰まらずに済むようにどうやって撮影時の工夫で問題を解決するかを決断することにとても役立っているよ。
Blake Farber – Contact
Web: http://www.blakefarber.com/
E-mail: blake@farber.com
最新の記事情報が取得できます
「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。
REP