公開日:2018年5月28日最終更新日:2024年7月30日
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私たちのほとんどは学校の英語教育で基本的にアメリカ英語を習っており、発音に関してもやはりアメリカ英語の発音の方が比較的馴染みがあり聞きやすいと思います。そうした中で、TOEIC® L&Rではリスニングでアメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリアと4か国の英語のスピーカーがそれぞれの発音(訛り)で話す内容を正確に聴き取り理解しないといけません。TOEIC® L&R向けの指導をしている中で特にイギリス英語の聴き取りが出来ずにリスニングで非常にネックとなってしまっているといった声を非常に多く聞きます。ここではアメリカ英語との比較を交えながらイギリス英語の発音の特徴を取り上げていきます。
R性母音とは/əːr/・/ɑːr/・/ɔːr/などの母音+rからなる音です。一言で米英の違いを説明すると、アメリカ英語では母音の後ろにくっつくrを発音しますが、イギリス英語では発音しません。
例文で音の違いを確認してみましょう。
“After he graduated from high school, he started working as a chef.”
▶アメリカ英語
▶イギリス英語
“As far as I remember, her name is Jane.”
一つ目のfarに関しては後ろに来ている語asが母音で始まっていてfarとリンクするため、イギリス英語でもR性母音が出現します。
続いて、音の違いを説明している動画も見てみましょう(5:27以降がR性母音に関する違いです)。
また、イギリス発音同様R性母音はオーストラリア発音にも無く、オーストラリア発音に関する記事でもその点を取り上げています。
また、地域別の発音の違いをチェックするのに非常に便利なFORVOというサイトもオススメです。発音を調べたい単語を入力して検索すれば各国のスピーカーたちが登録した発音を聞くことができます。例えば”more”で検索すると以下のように発音例が出てきます。
この母音もアメリカ英語発音とイギリス英語発音の違いが顕著に現れます。例えばアメリカ英語でnot /ˈnɑt/ と発音するものをイギリス英語では /ˈnɒt/ と発音するのですが、この /ɒ/ という音は日本語の「オ」からやや後舌を後ろに引いて唇をやや丸く突き出して発音する音です。アメリカ発音の /ɑ/ と比較すると顎や舌の位置を上げ、やはり後舌を後ろに引いて唇をより丸く突き出して作る音です。
実際の音を先ほどと同じビデオの2:01以降で /ɑ/ と比較しながら確認してみましょう。
“Not that I know of.”
“I’d rather not.”
このように発音上の明確な違いがアメリカ英語とイギリス英語の間にはあります。TOEIC® L&Rの勉強において、イギリス発音が聴き取りにくいという方はただただ漫然と聞いて慣れようとするような方法ではなく、よりその違いを明示的に理解して違いにフォーカスしながら正しく音声を認識する力を身に着ける練習を行うことが効果的で、当然時間的な効率も良いです。
まずはTOEICの公式問題集を使ってここで取り上げたR性母音と /ɑ/・/ɒ/ の違いに注目したリスニングを行ってみましょう。
さらに音読やシャドーイングを行う際には、国別のスピーカーに合わせこうしたR性母音の有無や母音の違いなども含めてできるだけ真似して発音を行っていくことで、実際のリスニングの際の聴き取りもより自然に各国の音がとれるようになっていきます。
上記内容と合わせてイギリス英語発音とアメリカ英語発音の違い母音編の続編の記事もぜひご覧になってください。
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